September - 2016

【根津に行ってみた・その１】ももじくんの足と、日傘のタイミング

ももじくん（女）はその日、短いホットパンツをはいて根津に来た。顔を合わせるより先に、白くてみょいーんとした足が目に入る。すごく長くて、内心ぶったまげてしまった。前に仕事場で会った時は、ロングスカートをはいていたから知らなかったのだ。...

朝ごはんの前に、もう１度お風呂に入った。あいかわらず空は真っ暗だし、パラパラと雨も降っている。なんだかもう、天気なんてどうでもよくなっていた。降っているのに、降ってないみたいに温泉につかる。夫は「雨が気持ちいいねえ」と言っていた。...

伊豆から帰ってきて、１週間たった。雨のおかげであまり楽しめなかったなぁ、なんて思っていたけれど。食べた夕食のことを思い出したら、ヨダレが出る。泊まったムーン・リバージュさんは、料理が美味しかったのだ。大きな旅館のように、船の器に刺身がドーンてタイプのお料理じゃない。...

犬連れホテルを、安さで探すとあぶない。ある年は合宿所みたいだったし、ある年は虫だらけ。料理が美味しくなかったり、お風呂が古かったり、さんざんである。ということで今年は、いつもより６千円いいところを予約。６千円の差って、かなりあった。...

旅の思い出に、焼き物を持って帰るのが好きだ。その土地に住む作家さんの器を買ったり、自分で絵付けをしたり。帰ってから家で使うと、あたたかい気持ちになる。伊豆高原に着いても雨だったし、早々と陶芸体験をしに行くことにした。ろくろが３２台もある大きな工房、八幡野窯さん。...

年に１度の家族旅行だというのに、大雨が降った。鼠色の雲は分厚くて、ぜったいになくならない感じだ。こういう時、「雨なんて関係ないっしょ」という顔をいつもしてしまう。「あーあ、降っちゃったね」と言えない。旅のしょっぱなから、渋滞にも巻き込まれた。...

星野道夫さんの写真集を３冊読み終えて、デザートも食べた。入り口の看板にあった、クリームあんみつ。ふんわか炊いた小豆と、まだ温かい白玉が、とっても美味しかった。ついたばかりのお餅のような白玉だんごだった。私はクリームあんみつが好きだ。...

「星野道夫全仕事No.１　カリブーの旅」を見つけた。星野道夫さんは、その日の朝、ラジオで知った写真家だ。自然と動物の写真を撮り続けて、それがとても素晴らしいという。ヒグマに襲われて亡くなったらしい。友達だったのか、熱心な評論家なのか。...

やっと写真集を眺めはじめた時、芸能人がきた。テレビで人気のある、女芸人さんだ。やっぱり、すごく目立っていた。と、思う。私の他には、日本語が全く話せない金髪の男性客しか、もういなかったのだ。日本のお笑い芸人のことなんて知らない気がするので、参考にならない。...

店内は、どでかい本棚にかこまれていた。ぎゅうぎゅうに写真集が埋まっていて、まるで巣みたいだ。床から天井まで、蜂ならぬ、写真集の巣。そこに手を伸ばす前に、ねこまんまを注文した。ランチタイムが終わっていて、ご飯ものがそれしかなかったのである。...