【根津に行ってみた・その4】オサム展ですごく嬉しそうな女性に会って
- kinako152 .
- 2016年10月12日
- 読了時間: 2分

この日の1番の目的は、竹下夢二美術館だった。
明治から昭和初期にかけての、超人気イラストレーターだ。
その竹下夢二美術館とくっついて、弥生美術館もある。
そっちでは、「オサムグッズの原田治展」がどーんと開催中だった。
だあれ?って思っていたけれど、とんでもない!ミスタードーナツの人だ!
いつのまにか変わってしまったけれど、ミスドといえばこの絵。
弥生美術館内は、当時のオサムグッズでぱんっぱんだった。
鉛筆のキャップや消しゴムみたいな小さなもの。
水泳の時に使った、首にゴムの入った巻けるバスタオル。
あーー持ってた持ってた!!というものばかりで大興奮。
同じように美術館にいた女の人なんて、泣いて懐かしがっていた。
もう声もおさえきれないようで、「ああー、ああー」と言いながら歩き回っている。
ももじくん(女)が思わず「懐かしいですね」と話しかけていた。
その人は50歳で、オサムのトートバックも筆箱も、女子高生の頃使っていたらしい。
治さんよりも、もっともっともっと昔。
夢二さんも、こういう風に一世を風靡したんだろうなと思った。
千代紙やキャラメルの箱、婦人雑誌や楽譜や小説の表紙。
夢二さんの絵を持ち歩いていた女性が、たくさんたくさんいたのだ。
夢二美術館はとても静かで、泣いて懐かしがる人もいなかった。
その時代に女の子だった人は、もう生きていないんだと思う。
生きていても、ここまで来られないのかもしれない。
飾られた婦人雑誌の前で、ハンカチ片手に熱狂する人はいなかったけれど。
それは今見えないだけで、たしかにみんな、ここにいたんだと思った。
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