【谷中散歩】三陽食品のところてん
- kinako152 .
- 2016年10月14日
- 読了時間: 2分

蝉も生き返りそうな暑い日。
ももじくん(女)が最初に「食べたい!」と言ったものは、ところてんだった。
年季の入った三陽商店さんの店先。
お店のおじさんたちは、みんなビニールの前掛けと長靴姿である。
こういうスタイルで働くのは魚屋さんだけかと思っていた。
昔はどこでも、蒟蒻や白滝をこうやって売っていたんだろうか。
ところてんが蒟蒻屋さんにあることも、私は初めて知った。
突き立てのところてん、ひとり150円。
お餅の他に「つきたて」って言う食べ物があることも、初めて知る。
あの押して麺状にする木の道具が、天突きっていうらしい。
日本語って美味しそうでいいなぁと思う。英語だったらスライサーで終わるところだ。
私は酢醤油と辛子をたっぷり。
歯が気になるので、青海苔はパラパラっとかけた。
ももじくんは、私よりもちょっと多めに青海苔をふる。
やっぱ辛子は絶対だよね。うん、絶対だよね。
ふたりで言い合いながら、店先のベンチでつるつる。
つめたくてすっぱくて、美味しい。
もし私たちが女子高生だったら、もう1杯食べただろうなぁと思う。
部活帰りに寄って、「マックよりところてんだよね」なんて言ってる気がする。
谷中で育つ女の子たちがうらやましい。
私は田舎育ちなので、寄り道といえばマックかファミレスしかなかった。
店先でところてんを食べるなんて、実は都会に人にしかできないことだ。
サザエさんのような毎日は、商店街に人が多くなければ叶わない。
なんて考えていたら、制服姿の女の子たちが、コロッケを食べながら通り過ぎて行った。
そうか、あの子たちはところてんより揚げ物か・・・
案外、私たちくらいの年代の女が、買い食いするスポットなのかもなぁと思った。
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