７月の小旅行おわり

広重美術館のすぐとなりに、小さな池がある。

その池を眺める形で、これまた小さな離れ座敷。

すごく立派な休憩所だなぁと思っていたら、

明治天皇が昔ひと休みしたことのある、御幸亭という所らしい。

受付の優しい女の人が教えてくれた。

復元なので新しい建物だったけど、畳のにおいがいっぱいして、とっても気持ちよかった。

しゃきしゃきと喋る、これまた優しいエプロン姿の女の人が、あたたかい煎茶をいれてくださる。

そのお茶をいただきながら、なんだかやっと私もひと休みした気分になった。

小さなお庭から、びっくりするほどたくさんの蝉の声。

ここに生まれた蝉は幸せな気がする。寂しくなさそうだし、係の人はみんな優しい。

池には鯉もたくさん泳いでいて、涼しそうだった。

私は、さっき売店で買ったポストカードや版画を椅子に広げて、来てよかったなぁとしみじみ思っていた。

帰ったら、これをどこに飾ろう。アルバムにしまってもいい。

美術館では、また別の展示が行われるらしいので、必ず来ようと思った。

そしてまたここでお茶を飲んで、優しい係の人たちに見送られたい。