ルノワール展に行ってきた・その2「猫の絵の前でおいおい泣いた話」
- kinako152 .
- 2016年8月6日
- 読了時間: 2分

新国立美術館でやっているルノワール展に行ってきた。
お客さんがとても多くて、そろりそろりとしか前に進めない。
1点1点をじっくり見れて、それがむしろ良かった。
マイペースに進めたら、私はきっとサッサと歩いてしまう。
立ち止まる人もたくさんいるので、自分も遠慮なく立ち止まる。
進みたい人は進めばいいし、前の方で絵を眺めたかったらちょっと待てば大丈夫。
こんなに混んでいるのにそれほど不便を感じないのは、
「ルノワールの絵を見たい」って気持ちは、みんな同じだからかもしれない。
パンフレットの隅っこに鉛筆でメモをとる学生さんや、
小声で感想を伝え合う2人組もたくさんいたけど、
ほとんどが私と同じように、1人でただぼーっと絵を眺めていた。
美術館って、もっと難しい顔をした人が集まってるのかと思っていたので安心する。
私もぼーっとしながら前に進んでいたが、
「ジュリー・マネあるいは猫を抱く子ども」という絵のところでは泣いてしまった。
ジュリー・マネという女の子が猫を抱いている、有名な肖像画だ。
彼女はこの絵を生涯手放さなかった、と解説されていた。
この猫が飼い猫だとしたら、絶対にジュリーさんより早く死んでしまったはずだ。
こんなに可愛く幸せそうに猫を描いてもらった絵を、ずっと大切にする気持ちがわかる。
私も、うちの犬をこんな風に描いてもらったら、絶対に捨てられない。
おばあさんになって昔の記憶が曖昧になっても、絵を見れば思い出せると思う。
おいおいと泣いてその場を離れた。絵ってすごいなぁと思う。
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